Self-Care and Rituals
2020年はめっぽう手強い一年だ。この言葉を聞いて首を横に振る人は少ないでしょう。世界的なパンデミックは、私たちの生活を大きく再編しました。ソーシャルディスタンスにリモートワーク、相次いだイベントのキャンセルに経済的不安、更には政治的緊張まで、言い出すとキリがないですね。逆にこのようなそわそわする生活状況の中にいるからこそ、心理学やウェルネスのコミュニティで長年提唱されてきた習慣がついに日の目を浴びるようなりました。「セルフケア」と「リチュアル」の実践は、その良い例です。
セルフケアは「能動的に自らの健康や幸福を守る行為」と定義することができます。これは、ストレスが溜まりやすい時期に特に効果を見せる行為と言えるでしょう。セルフケアは柔軟で、一人ひとりに合った形で実践できる行為です。一日何回でも、好きなだけ取り入れていいのです。長くお風呂に入って芯まであったまることも、朝の目覚ましを放っていつもより少しだけ長く眠ることも、あなたの心が望んでいるのなら、それはセルフケアです。セルフケアは、時折「わがまま」のような捉えられ方をされてしまうことがありますが、気分を向上させ、不安を和らげるのに有効な行動として心理学の世界では広く受け入れられています。
心理学者はまた、2020年の新しい常態を鑑みて、日頃からルーティンのある生活を送ることが今まで以上に人々にとって大切になることを認識しています。ルーティンは、不安定な時代を生き抜くために必要な「自らの活動をコントロールしながら幸福を追求をする力」における手助けをしてくれます。セルフケアを含めたウェルネスの分野では、ある種のルーティンのことを「リチュアル(儀式)」と呼ぶことがあります。リチュアルは、ルーティンより一層パーソナルで、本人にとって神聖な行動を意識的に行っているという側面があります。リチュアルを通じて、人は日頃から心を落ち着かせ、それがウェルネスの向上にもつながっています。神聖な行動といっても、その程度は人それぞれです。一日のはじまりに一杯のコーヒーやお茶をいれることも、リモート会議中にお香を焚くことも、一日の終わりにお気に入りの本を読むことも、すべては立派なリチュアルです。
おうちで素敵な時間を過ごすために、とても大きな役割を持つセルフケアの“儀式”。この度は、そんなリチュアルの時間をより有意義にできる品物をご紹介します。ウェルネスに対しての意識が高いオーストラリアの職人による品です。
我々のお気に入りのブランドを二つご紹介します。Addition StudiosとSubtle Bodies。Addition Studioは、オーストラリアのバイロン・ベイという地でRyan Hanrahanが立ち上げたブランドです。扱っているのは、100%天然のエッセンシャルオイルやオイルバーナー 等のアロマ商品。Hanrahanのデザインはミニマルな形状にこだわりを持ち、天然の素材を使用しながら一生ものとして設計されています。一方でメルボルンに本拠地を置くSubtle Bodies。こちらはピュアな素材でできた香木やお香立てのブランドです。世界中の森林状況を考慮し、サステナブルな形で香木を厳選しています。これらの品に助けをもらって、2020年の厳しい教訓を優しさとマインドフルネスへの気付きに変えられたら、それは素敵なことではないかと、私は思います。