ライアン・フット

メルボルン, オーストラリア

「釉薬や仕上げで、いかに”たべものを頂く”という経験を豊かにするか、器の形が味覚だけはない五感の体感に与える影響なんかを模索しているんだ」

ライアン・フット氏はメルボルンを拠点とする手作りの陶磁器やインテリア小物を扱うデザイン事務所、RL Foote Design Studioのデザイナーだ。 どの様な形、釉薬、仕上げの器が、食べ物を頂くという行為を単なる「食事」から「経験」へ昇華させるかーシェフの目線から、様々な技法や材料を用いてデザインや釉薬を考え、陶芸という域の境界線の模索。料理に対する情熱を持った彼の独特なデザインは、とあるミシェランシェフからも注目されている。

製品

活動エリア
メルボルン, オーストラリア

製品
磁器

生産場所
メルボルン, オーストラリア

活動開始まで

学部を卒業してからも、インスタレーションアート、舞台美術デザイン、食品デザインやグラフィックデザインなどの制作活動を継続したライアン氏。造形技術士、ファションショーやミュージカルの舞台デザイナー、講師などの職を経て、2017年に自身のR L Footeを立ち上げた。 自身の事業を立ち上げるまでは、デザイナーとして様々なプロジェクトや製品化への資金調達へ携わってきたというライアン氏。事業の立ち上げまでで一番大変だったことは、今までチームの一員としてやってきたことを全て自分一人で舵を切る必要があったこと、特に資金集めだ。「あの頃はどれだけ時間があっても足りなかった」と振り返る。

デザイン哲学

食べ物に始まり、食べ物に終わるーデザインからから生産に至るまでのライアン氏のプロセスだ。食べ物とそれを食すという経験を常に意識し、形や仕上げを突き詰めていく。「釉薬や仕上げで、いかに”たべものを頂く”という経験を豊かにするか。器の形が、味覚だけはない五感の体感に与える影響、なんかを模索しているんだ。」とライアン氏。器の形や佇まいひとつ取っても食事という経験は変わってくるという。フードアートのポップアップイベント・インスタレーションであるダイアモンドラボシリーズはまさにその例と言える。 そんなライアン氏の作品アイディアは、実にさまざまな視点から生み出される。器が使われる空間との関係だったり、器が使われる料理との関係だったり、仕上げや釉薬にあった形を模索したり、という具合だ。大体は空間のテーマから入り、どのような料理を乗せたいかという視点に移した後に、やっと器のデザインに入るという。

影響を受けるもの

特定の作品やアーティストなどからはあまり影響を受けないが、各シリーズは訪れた場所、古典美術、建築、料理の素材等々、実に様々なものがきっかけとなっているというライアン氏の作品。例えば、磁器のBENTOシリーズは名前の通り日本のお弁当から由来しているし、月節句のムーンケーキイベントのためにデザインされた泡シリーズは、月の模様に由来している。

デザインの工程

ライアン氏のデザインは概ね空間や、皿、レシピなど、手書きのスケッチから生まれる。その数多くのスケッチの中から、様々な編集ソフトウェアでアイディアを固め、製品案と段階ふむ。大体の形が決まってきたら作業場へ移り、完成するまで試作を繰り返す。

試作は全て手作業ではなく、まずはプラスチックで印刷できる3Dプリンターで出力することも多いそうだ。そうすることで、自身が思いつくユニークな形を試験的に実際のモノとして手に取り、次の試作ステップへと進む時間を格段に短縮できるという。 手作業と最新のテクノロジーをうまく使いこなすことで、自身の想像力にブレーキをかけることなく、なおかつデザインにかけるコストと時間をうまく削減しているのだ。

作業場内にある3つの陶芸窯も器作りには欠かせない。ガス窯は生産用、2つの小さな窯はテスト焼成や温度調整の難しい結晶釉用だ。 「多少の汚れは気にならないようなアトリエ、料理と皿の研究のための業務用キッチン、3Dプリンターやパソコン、書籍のある書斎があれば良いね。」ー現在のデザインから生産までのプロセスを反映した、ライアン氏にとっての理想の作業場だそうだ。

ダイアモンドラボ

ダイヤモンドラボシリーズは、ライアン氏の前衛的なポップアップフードアートインスタレーションの「ダイアモンドラボ」の主役である皿を製品化したものだ。ダイアモンドラボとは、現在も進行形のプロジェクトで、ライアン氏がデザインした14メートルものテーブルにレーザー装飾された壁、ダイアモンドの形をした椅子、皿や食物用の鋳型などを展示したアートインスタレーションであり、食事のできるレストランであり、ファッション性と舞台性のあるイベントだ。

ダイアモンドラボについての情報はこちらから。

ダイアモンドラボについて読む

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